そのページ、本当に読まれていますか?|GA4で見るべき指標とページ分析の実践ガイド

自社のWebサイトを運営しているものの、「どのページがお客様に本当に読まれているのか」が分からず、改善のヒントが見つからない…と悩んでいませんか。

Googleアナリティクス(GA4)は、その疑問に答えてくれる強力なツールです。 そして、どのページが読まれているかを分析することは、ビジネスの現場で言えば、営業トークの「どこがお客様に最も響いたか」を検証する作業そのものなのです。

この記事では、GA4の具体的なレポートの見方から、その分析結果を見て「で、どうすればいい?」と次に繋げるための、思考法と改善事例までを、初心者にも分かりやすく紹介します。

この記事を読み終える頃には、あなたはGA4のデータを見ながら、「このページは反応が良いからもっと詳しく説明しよう」「このページは退屈されているから写真を追加しよう」といった、具体的な改善アクションを自分の頭で考えられるようになっています。

GA4でページの「お客様の反応」を見るための基本レポートと指標

それでは早速、GA4で「お客様の反応」を見ていきましょう。主に使うレポートは1つ、そして押さえておくべき基本的な言葉がいくつかあります。

主に使うレポート「ページとスクリーン」

ページの分析で中心的に使うのはこのレポートです。

  1. GA4の左側メニューにある**「レポート」**を開きます。
  2. **「エンゲージメント」という項目の中にある「ページとスクリーン」**をクリックします。

【スクリーンショット:GA4のレポートメニューで、「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を指し示している画像】

すると、あなたのサイトのページが一覧で表示され、それぞれのページがどれくらい見られているかなどのデータを確認できます。

押さえておきたいGA4の基本指標

レポートには様々な指標が並んでいますが、初心者のうちは以下の言葉だけをなんとなく理解しておけば十分です。

  • ユーザー / アクティブユーザー あなたのプレゼン(サイト)を「何人のお客様が聞きに来てくれたか」という人数です。
  • 表示回数 プレゼンのスライド(ページ)が「合計で何回見られたか」という回数です。一人が複数のページを見れば、その分だけカウントされます。
  • イベント お客様がプレゼン中に取った「すべての行動」です。ページをめくる(page_view)、資料をスクロールする(scroll)といった一つ一つの動きが記録されています。
  • キーイベント(コンバージョン) 数ある行動の中でも、特に重要だと決めた「最終的な成果」です。プレゼンで言えば「契約してくれた(問い合わせ完了)」という最も重要な行動を指します。
  • 平均エンゲージメント時間 お客様が、そのスライド(ページ)を「どれくらい熱心に見つめてくれていたか」という時間です。この時間が長いほど、そのページの内容に興味を持ってくれている可能性が高いと言えます。

分析結果を見て「で、どうする?」で止まってしまうあなたへ

さて、ここまでで「どのページ(トーク)が、どれくらい見られているか」という数字は分かるようになりました。

しかし、多くの初心者がここで壁にぶつかります。 「サービスAのページが一番見られているのは分かった。で、どうすればいいの?」 「会社概要ページが全然読まれていない。だから、何?

数字という「結果」は分かっても、それを「次の一手」に繋げられなければ、分析はそこで止まってしまいます。次の章では、この「で?」の壁を乗り越えるための、非常にシンプルな思考法をご紹介します。

データから「改善アクション」を生み出すための3ステップ思考法

専門知識は不要です。データを見たら、この3つのステップに沿って考えるだけで、誰でも改善のヒントを見つけ出すことができます。

ステップ1:事実の発見

まず、レポートに表示されている数字を、判断を交えずに言葉にするだけです。

  • 例: 「『サービスA』のページの表示回数が、サイト全体で一番多い」

ステップ2:仮説を立てる

次に、その事実に対して**「それは、なぜだろう?」と理由を推測します。** これが「仮説」です。あなたのビジネス経験を元に、自由に考えてみましょう。

  • 例(事実→仮説): 「サービスA」の表示回数が多い。 →なぜ? 「最近力を入れている広告から、このページに直接アクセスが集まっているからかもしれない」

ステップ3:アクションを考える

最後に、その仮説をもとに**「では、どうするか?」と具体的な次の行動を考えます。**

  • 例(仮説→アクション): 広告から「サービスA」にアクセスが集まっているのかも。 →では、どうする? 「このページの冒頭に、広告で使っているのと同じキャッチコピーを入れて、お客様が安心して読み進められるように改善してみよう」

【事例で学ぶ】営業トーク(ページ)の改善方法

この3ステップ思考法を使って、具体的な改善アクションを考える練習をしてみましょう。

事例1:「よく聞いてもらえる話(人気ページ)」をさらに伸ばすには

  • 【事実】 「チタンの加工技術」という専門的なブログ記事の平均エンゲージメント時間が、他のページの2倍以上長い。
  • 【仮説】 なぜ? → 当社のサイト訪問者には、技術的な内容を深く知りたい、専門知識を持ったお客様が多いのかもしれない。ありきたりな情報では満足しない層に響いているのでは?
  • 【アクション】では、どうする?
    1. この記事の続編として、さらにマニアックな「チタン加工の応用事例」といったテーマで、新しいブログを書いてみよう。
    2. この記事を読んで満足してくれたお客様を逃さないよう、記事の最後に「関連技術資料のダウンロードはこちら」というリンクを大きく設置してみよう。

事例2:「あまり聞いてもらえない話(不人気ページ)」をどう改善するか

  • 【事実】 複数のサービスを羅列した「サービス一覧」ページの平均エンゲージメント時間が極端に短く、ほとんど読まれていない。
  • 【仮説】 なぜ? → サービスの専門用語が並んでいるだけで、それぞれのサービスの魅力やメリットが直感的に伝わっていないのかもしれない。「自分にどのサービスが必要か」が分からないのでは?
  • 【アクション】では、どうする?
    1. 文字だけでなく、それぞれのサービス内容がイメージできるような写真や図解、簡単な紹介動画などを追加してみよう。
    2. 「こんなお悩みの方はこちら」のように、お客様の課題ごとに最適なサービスへ誘導する案内を追加してみよう。

すべてのページ(トーク)に「改善のヒント」は眠っている

今回は、GA4の「ページとスクリーン」レポートの見方と、そこから具体的な改善アクションを生み出すための思考法について解説しました。

重要なのは、完璧な分析を目指すことではありません。まずはこの記事で紹介した「3ステップ思考法」を使って、たった一つのページでも良いので、改善のヒントを探してみることです。

  1. 【事実】 数字を言葉にする
  2. 【仮説】 「なぜ?」と理由を推測する
  3. 【アクション】 「では、どうするか?」と次の行動を決める

人気ページには「なぜ人気なのか」という強みのヒントが、不人気ページには「なぜ不人気なのか」という弱みを改善するヒントが必ず眠っています。ぜひ、あなたのサイトという素晴らしい営業マンのトークを、データを見ながら一緒に磨き上げていきましょう。

アルウェブ編集部
アルウェブ編集部