Googleアナリティクス入門|IT音痴社長でもHPを「金のなる木」に変える3つの視点

「うちのホームページ、本当に役に立っているんだろうか…?」 社長であるあなたは、日々の業務に追われる中で、ふとそんな疑問を感じたことはありませんか。

高い費用をかけて作ったホームページ(HP)が、”ただのインターネット上の会社案内”で終わってしまっては、あまりにもったいない話です。

この記事では、Webの専門家が「Googleアナリティクス」という無料ツールを使い、あなたの会社のHPを優秀な営業マン、あるいは「金のなる木」に変えるための思考法を、世界一わかりやすく解説します。

複雑な機能や専門用語は一切不要です。社長が押さえるべき「たった3つの視点」さえ分かれば、データに基づいた的確な経営判断ができるようになります。この記事を読めば、その具体的な方法がすべてわかります。

アナリティクスはHPを「金のなる木」に変える

Googleアナリティクスとは、一言でいえば「会社のWEBサイトの、無料の健康診断ツール」といえるでしょう。※アプリの話は除きます。

会社の健康状態を把握するために健康診断があるように、ホームページが元気か(=事業に貢献しているか)を調べるのがGoogleアナリティクスの役割です。

具体的には、以下のようなことがわかります。

  • ホームページの体調(全体のアクセス数)
  • どんな人が訪れているか
  • どこに課題があるか
  • 何が求められているか

これらのデータを正しく見ることで、ホームページをただの飾りではなく、売上や採用に繋がる「金のなる木」へと育てる第一歩を踏み出すことができるのです。

視点① どんなユーザーが、どこから来ているのか?

最初の視点は「顧客の正体」を知ることです。ホームページに訪れたのが、求職中の若者なのか、発注を検討している企業の担当者なのかで、打つべき手は大きく変わります。

具体的には、以下のような訪問者の特徴や来た道筋が分かります。

  • 年齢、性別、興味関心など
  • 国や市区町村などの地域
  • 流入元(Google検索、広告、SNSなど)

まるで店舗にPOSレジを導入するように、Web上の顧客情報を把握するイメージです。

視点② どのページがユーザーに人気か?

次に、ユーザーがホームページのどのページに興味を持っているかを把握します。 会社が一番見てほしい製品ページよりも、意外なブログ記事が多くの人を集めているかもしれません。これは大きなビジネスチャンスのヒントになります。

  • ページごとの表示回数(またはユーザー数など)
  • そのページにどれくらい滞在したか

人気のページは貴社の強みを、不人気のページは改善のヒントを教えてくれます。

視点③ ユーザーはホームページで期待通りの行動をしたか?

最後の視点が最も重要です。それは「顧客が、こちらの意図通りに行動してくれたか?」の確認です。

一般的にホームページの役割は、見込み顧客の個人情報を獲得し、営業に繋げることです。つまり「問い合わせ」などです。

「問い合わせ」なら、問い合わせフォームが送信された回数を計測します。これをマーケティング用語で「コンバージョン(成果)」や「キーイベント(重要なイベント)」と言います。

コンバージョン(キーイベント)とは

  • お問い合わせフォームの送信
  • 資料ダウンロードフォームの送信
  • 予約
  • 申し込み/会員登録
  • 電話問い合わせ

この数字を追いかけることで初めて、ホームページが「金のなる木」に育っているかを客観的に判断できるようになります。

なぜ、この3つの視点が会社の成長に繋がるのか?

「3つの視点は分かった。しかし、それがどうやって会社の利益に繋がるんだ?」 そう思われたかもしれません。

ここでは、例として金属加工業を営む「田中社長」が抱える2つの具体的な経営課題について、Googleアナリティクスがどのように役立つのかを見ていきましょう。

採用を強化したい場合

田中社長は、優秀な若手技術者を採用したいと考えていますが、なかなか応募が集まらずに悩んでいます。

この場合、Googleアナリティクスで「求人情報ページ」がどれくらい見られているかを確認します。

もし閲覧数が非常に少ないなら、そもそも求人ページの存在が知られていないということです。トップページから分かりやすく案内する、地域の学生が見るようなサイトにリンクを貼ってもらう、といった対策が考えられます。

逆に、閲覧数は多いのに行動(応募)に繋がらないなら、ページの内容に問題があるのかもしれません。「給与や福利厚生の情報が不足している?」「会社の魅力が伝わっていない?」といった仮説を立て、ページを改善することで、応募数の増加が期待できます。

新規の問い合わせを増やしたい場合

田中社長は、ホームページ経由で新規の取引先も開拓したいと考えています。

この場合は、「製品技術ページ」や「導入事例ページ」がどのくらい見られているか、そして、それらのページを見た人が「問い合わせページ」に移動しているかを確認します。

もし、特定の製品ページはよく見られているのに問い合わせに繋がっていないのであれば、チャンスを逃している可能性があります。

「問い合わせボタンがページの一番下にしかなく、分かりにくいのでは?」「価格の目安が全く書かれていないから、不安に思われているのでは?」といった具体的な改善点が見えてくるのです。

データ分析の前にやるべき最も重要なこと

Googleアナリティクスは強力なツールですが、やみくもに数字を眺めているだけでは、宝の持ち腐れになってしまいます。

実は、データを見る前に、たった一つだけ決めておくべき重要なことがあります。それは「ホームページの目的を決める」ということ。

ホームページの「目的(ゴール)」を決めていますか?

目的地を決めずに航海に出ても、どこにも辿り着けないのと同じで、ホームページも明確なゴールがなければ、どれだけアクセス数を集めても事業の成果には繋がりません。

社長であるあなたが、まずホームページの役割を定義してください。例えば、以下のように具体的に決めます。

  • 採用がゴール:月に5件、若手技術者からの応募を獲得する
  • 新規顧客がゴール:月に10件、当社の精密加工技術に関する問い合わせを獲得する

このゴール設定こそが、Googleアナリティクスを「金のなる木」に変えるための羅針盤となります。

ゴールから逆算して「見るべき数字」を決めよう

ホームページのゴールが決まれば、見るべき数字は驚くほどシンプルになります。

採用がゴールなら、社長が見るべき最重要の数字は「応募完了数(コンバージョン)」です。その上で「求人ページの閲覧数」などを補助的に見ていきます。

新規顧客の獲得がゴールなら、最重要の数字は「問い合わせ完了数(コンバージョン)」です。

このようにゴールから逆算することで、たくさんのデータに惑わされる必要はなくなります。

社長は、このゴールに関わる数字だけを定期的にチェックし、「目標に近づいているか?」という一点に集中すればよいのです。

具体的な行動を始めるための5本の記事

ここまで読んで、「Googleアナリティクスの重要性は分かった。では、具体的に何から始めればいいのか?」と思われた社長も多いでしょう。

社長が次に行うべき具体的なステップを、5本の詳細記事としてご用意しました。まずは最初の一歩から、ご自身のペースで読み進めてみてください。

【導入編】 とにかく始める、最初の一歩

『パソコンが苦手でも5分で完了!Googleアナリティクス導入と初期設定、これだけやればOK』 → 専門的な設定は後回し。とにかく自社のホームページにGoogleアナリティクスを導入し、データ計測を開始するための最低限の手順を画面付きで解説します。

【分析編①】 お客様は誰で、どこから来たか?

『データから「優良な見込み客」の姿をあぶり出す、顧客分析の基本』 → どんな地域の、どんな人が、何を経由してホームページに来ているか。客層を分析し、営業やマーケティングに活かすための着眼点を解説します。

【分析編②】 どのページがお客様を惹きつけているか?

『人気のページ・不人気のページは?ホームページの「健康診断」実践ガイド』 → 会社の強み(人気のページ)と弱み(不人気のページ)をデータから発見する方法を解説。コンテンツ改善のヒントを見つけます。

【目標設定編】 「金のなる木」になっているかを計測する

『問い合わせを倍増させる!コンバージョン設定、これだけは押さえたい基本』 → ホームページがきちんと成果(問い合わせや応募)を生んでいるかを計測するための「コンバージョン設定」について、社長向けに分かりやすく解説します。

【改善アクション編】 データを見て、次の一手をどう打つか?

『小さな改善で成果を出す、Webサイト改善の思考法』 → 分析データを見て「それで、具体的にどうすればいいのか?」という疑問に答えます。データに基づいた改善アクションの考え方を学びます。

まずは「健康診断」から始めましょう

最後に、この記事の要点を振り返ります。

Googleアナリティクスは、Webの専門家だけのものではありません。社長であるあなたが、会社のホームページを「金のなる木」に育てるための、強力な羅針盤です。

Googleアナリティクスの要点

  • Googleアナリティクスは会社のHPの無料の健康診断ツール
  • 社長が見るべきは「①お客様は誰か」「②どのページが人気か」「③期待通りの行動をしたか」の3つ
  • データを見る前に、まずホームページの「目的(ゴール)」を明確に決める

難しく考える必要はありません。まずは自社のホームページの現状を知る、第一歩である「健康診断」から始めてみましょう。

次のステップとしてご案内した最初の記事を読めば、今日からでもその一歩を踏み出すことができます。さあ、データに基づいた経営の新しい扉を開けてみませんか。

アルウェブ編集部
アルウェブ編集部