GA4のキーイベント(コンバージョン)とは?設定から計測確認まで徹底解説

ホームページを運営しているものの、「一体、月に何件の問い合わせを獲得できているのか?」を正確に把握できていない…。そんな悩みを抱えていませんか。

この「成果」の数が分からなければ、Webサイトへの投資が成功しているのか、失敗しているのか、判断のしようがありません。

Googleアナリティクス(GA4)の「キーイベント(旧コンバージョン)」設定を行えば、誰でも無料で、Webサイトが生み出した成果の数を正確に計測できるようになります。

この記事では、「コンバージョンとは何か?」という基本から、最も代表的な「お問い合わせ完了(サンクスページ)」を計測するための設定手順まで、ITが苦手な方でもつまずかないように、一つひとつ丁寧に解説します。

この記事を読めば、あなたのホームページが本当の「金のなる木」になっているかを判断するための、最も重要な指標を手に入れることができます。

GA4のキーイベント(コンバージョン)とは?

まず、そもそも「コンバージョン」とは何か、そしてGA4での新しい呼び方について解説します。

Webサイトにおける「コンバージョン」= サイトの最終成果

ビジネスにおけるコンバージョン(Conversion)とは、直訳すると「転換」や「変換」を意味します。

Webサイトの文脈では、サイトを訪問しただけの「ただの訪問者」が、「問い合わせをしてくれた」「資料をダウンロードしてくれた」「商品を購入してくれた」といった、ビジネスにとって価値のある行動を起こしてくれた状態への転換を指します。

つまり、コンバージョンとはWebサイトにおける最終的な「成果」のことだとお考えください。

GA4では「キーイベント」と呼ばれる

Googleアナリティクスは「GA4」という新しいバージョンに移行し、これまで「コンバージョン」と呼ばれていたものは、「キーイベント」という名前に統一されました。

呼び方は変わりましたが、「Webサイトの成果を計測する」という本質的な役割は同じです。本記事では分かりやすさを重視し、適宜「コンバージョン」という言葉も併記して解説します。

計測できるコンバージョンの種類と、それぞれの計測方法

コンバージョンには様々な種類があり、計測の難易度も異なります。

  • お問い合わせ完了など(サンクスページで計測) 「お問い合わせ」「資料請求」「会員登録」などが完了した回数を計測する、最も基本的で重要なコンバージョンです。多くの場合、「サンクスページ」と呼ばれる完了画面を使って計測するため、初心者でも簡単・確実に設定できます。この記事で詳しく解説します。
  • 通販サイトの購入完了(※応用編) 通販サイト(ECサイト)で商品が購入された回数や、売上金額などを計測します。専門的な「eコマース設定」が必要になるため、別の応用編記事で解説します。
  • 電話や外部リンクのクリックなど(※応用編) 電話番号リンクやLINE登録ボタンなどがクリックされた回数を計測します。サイト外の行動に繋がるため、「Googleタグマネージャー(GTM)」という別のツールを組み合わせる必要があり、難易度が上がります。こちらも別の応用編記事で解説します。

計測の基本となる「サンクスページ」とは?

この記事で解説するコンバージョン設定では、「サンクスページ」というページが非常に重要になります。

サンクスページとは、ユーザーがお問い合わせフォームの送信などを完了した後に表示される、「ありがとうございます」といった感謝を伝えるページのことです。「完了ページ」や「Thanksページ」とも呼ばれます。

[イラスト:フォーム入力 → 送信 → サンクスページ表示、という流れを示す簡単な図]

このページが表示された、ということは「フォーム送信が正常に完了した」ということになります。そのため、サンクスページが表示された回数を数えることで、正確なコンバージョン数を計測できるのです。

【注意】GA4の数値と「実際の成果」が乖離する理由

一つだけ、重要な注意点があります。それは、GA4は「Webサイトの中でのユーザーの行動」を計測するツールだということです。

例えば、「電話番号リンクのクリック」をコンバージョンとして計測した場合、GA4でカウントされるのはあくまで「リンクがクリックされた回数」です。その電話が実際に繋がったのか、商談になったのか、までは分かりません。

LINEの登録なども同様です。このため、GA4で計測したコンバージョン数と、実際の成約数には多少の乖離が生まれる可能性があることを覚えておきましょう。

【実践】サンクスページをコンバージョン設定する全手順

お待たせしました。ここからは、実際にGA4の画面を追いながら、サンクスページを使ったコンバージョン設定を行っていきましょう。 大丈夫、設定は後からいつでも修正できます。まずは気軽に試してみましょう!

ステップ0:設定前に、自社のサンクスページのURLを確認・コピーしよう

まず、あなたの会社のWebサイトで、実際にお問い合わせフォームなどを送信し、その後に表示されるサンクスページのURLをコピーしておきましょう。

多くの場合、URLは https://example.com/thankshttps://example.com/contact/thanks.html のようになっています。このURLの、ドメイン名(example.com)より後ろの部分(例:/thanks/contact/thanks.html)を後ほど使います。

ステップ1:「サンクスページが表示された」という条件でカスタムイベントを作成する

GA4に「サンクスページが表示されたら、特別な目印をつけてね」と教える作業です。この特別な目印のことを「カスタムイベント」と呼びます。

  1. GA4の左下にある歯車マーク「管理」をクリックします。
  2. プロパティ列にある「イベント」をクリックします。 [スクリーンショット:管理画面で「イベント」を指し示している画像]
  3. 「イベントを作成」ボタンを押し、さらに次の画面で「作成」ボタンをクリックします。
  4. 「カスタムイベントの作成」画面が開きます。ここに、以下の通り設定内容を入力していきます。 [スクリーンショット:カスタムイベントの作成画面全体]
    • カスタムイベント名:generate_lead と入力します。
      • (補足)これはGA4が推奨する「推奨イベント名」の一つで、レポートなどで自動的に認識されやすいというメリットがあります。
    • 一致する条件(1つ目):
      • パラメータ: event_name
      • 演算子: 次と等しい
      • 値: page_view
      • (補足)これは「いずれかのページが表示された(page_view)イベントが発生したとき」という条件です。
    • 「条件を追加」ボタンをクリックします。
    • 一致する条件(2つ目):
      • パラメータ: page_location
      • 演算子: 次を含む
      • 値: (ステップ0で確認したサンクスページのURLの一部。例:/thanks
      • (補足)これは「表示されたページの場所(page_location)のURLに /thanks が含まれている」という条件です。
  5. 入力が完了したら、右上の「作成」ボタンをクリックします。

これで、「特定のURL(サンクスページ)が表示された時に、generate_lead という名前の特別な目印(イベント)を記録する」という設定が完了しました。

ステップ2:作成したカスタムイベントを「キーイベント」としてマークする

次に、先ほど作成した特別な目印(generate_lead)を、「これは重要な成果(キーイベント)ですよ」とGA4に教える作業です。

  1. 「管理」画面に戻り、プロパティ列にある「キーイベント」をクリックします。 [スクリーンショット:管理画面で「キーイベント」を指し示している画像]
  2. イベントの一覧が表示されます。ここに、先ほど作成した generate_lead というイベント名が表示されるのを待ちます。
    • 【重要】このイベントが一覧に表示されるまでには、数時間〜最大で24時間ほどかかる場合があります。表示されていなくても焦らず、時間を置いてから再度確認してください。もし24時間経っても表示されない場合は、ステップ1のURL指定などが間違っている可能性がありますので、設定を見直してみましょう。
  3. generate_lead が表示されたら、右側にある「キーイベントとしてマークを付ける」のスイッチをオンにします。 [スクリーンショット:「キーイベント」一覧画面で、generate_leadのスイッチをオンにする画像]

これで、すべての設定は完了です。

設定が正しく計測できているか、リアルタイムレポートで確認する方法

設定が完了したら、実際にテストで問い合わせをしてみて、正しく計測できているか確認しましょう。

  1. 自社のホームページから、テストとしてお問い合わせフォームを送信し、サンクスページを表示させます。
  2. GA4の左側メニュー「レポート」>「リアルタイム」を開きます。
  3. リアルタイムレポートの画面にある「キーイベント(イベント名)」というカード(表)に、先ほど設定した generate_lead が表示され、カウントが「1」になっていれば設定は成功です! [スクリーンショット:リアルタイムレポートの「キーイベント」カードでgenerate_leadがカウントされている画像]

まずは最も重要なコンバージョンから計測を始めよう

お疲れ様でした。これで、あなたのWebサイトがどれだけの成果を生み出しているかを、客観的な数値で把握するための準備が整いました。

Webサイトの成果地点は様々ですが、まずは今回設定した「お問い合わせ完了」などの最も重要なコンバージョンを一つ、確実に計測することから始めましょう。

この数値を追いかけることで、あなたのホームページは単なる会社案内から、ビジネスを成長させる本当の「金のなる木」へと進化していくはずです。

アルウェブ編集部
アルウェブ編集部